2022/04/01 00:00

この度は冷凍インド料理をご購入いただきありがとうございます。
砂の岬ではオープン当初から、インド各地域の現地の味を日本で表現してきました。
ただ料理を作るのではなく、自分が体感してテーマやストーリーがある料理を主にピックアップしています。
コロナ禍のこの2年間はインドに行けず、我慢の時間が続いていますが、今まで食べて記憶してきた沢山の料理のストックが僕の頭とノートに残っていました。
その分、現地への想いを料理に乗せて、気持ちを込めて作っています。
料理を食べながら、現地の食風景まで伝わっていただければ幸いです。
レシピフロムシリーズ、
まずはマドゥライ、ムンバイから始まります。
Thoonga nagaram (眠らない町)の夜を食べ歩く〜マドゥライ編~
10年以上インドに通い詰めている中で、気がつけば一番多く訪れている街、マドゥライ。
タミルナードのディープサウスにあるテンプルタウンは巡礼地や商都であるため人々がせわしなく行き来する活気あふれる街。
そこに点在する質の高いベジ(菜食)やノンベジ(非菜食)食堂の味や食風景に魅了されている。
タミルナードゥ州の各地でミールスを食べ歩いている中で、マドゥライやカライクディで出されるミールスの味や副菜の構成は好きなパターンが多く、それをきっかけに通うようになり、そこから徐々にこの地のノンベジの魅力に取り憑かれていった。
チェティナード地方への入り口の一つである、マドゥライでも同様に香り高いスパイス使いで、キレのあるノンベジを出す味のいい店が多いため、二軒以上ハシゴし、時にはパーセル(持ち帰り)したりと夜遅くまで忙しい。
僕がいつも訪れるそれぞれの食堂から好きなメニューをピックアップして、
このエネルギッシュな食都マドゥライの個性を表現しました。
Recipe from MADURAI シリーズについて
◉ CHICKEN GRAVY チキングレイビー
ミーナクシ寺院の周りにはジャンル様々な店がひしめき合っている。僕は隙さえあれば、寄り道、寄り道、、、今まで通ったことの無い道があるとに気付けば、いつも吸い込まれる。
路地に入り込み、小さな看板を見つけ奥に進むと、お爺さん1人で切り盛りしている3席だけの食堂。極シンプルなミールスにチキングレイビーを追加して食べた思い出。
レストランや中規模食堂では食べれないような、荒削りながらサラリとしたシンプルさを持ったチキンカレーだった。
玉ねぎを少なくし、パウダースパイスを増やし、最初から煮込み途中までずっと強火で攻めていく。その作り方をする事でグレイビーの質感を表現した、チキングレイビー。
ポンニライスにグレイビーをバシャっとかければそこはローカル!
◉ MUTTON NEI CHUKKA マトンネイチュッカ
インドから離れていても、あの店のマトンチュッカの味わいが鮮明に舌に残っている。
マトンの味わいに開眼したのは、マドゥライでマトンチュッカを初めて食べた時。それからの僕のインドで食べるノンベジはほとんどがマトンになった。
ギーとスパイスの配置で上品な香りに差し込むカレーリーフの青い風味。ワイルドながら繊細さを秘めた、マドゥライノンベジの代表格。
バスマティライスとも相性がいい。
◉ AMMA MEEN KUZHAMBU アンマミーンコロンブ
地元の名店で食べたフィッシュカレーは胃を掻き回すような刺激だった。目が覚めるようなキレのある酸味と野生的なスパイス使いで、当時の僕の知識の枠を思いっきり越えてきた。
ぶつ切りのSHEELA(サワラのような魚)を取り巻く攻撃的なグレイビー、その上に怪しく綺麗なオイルが待ち構えている姿は、薄暗い店内の雰囲気と相まって、忘れられない食風景だった。
キレのあるタマリンドの酸味に玉ねぎの苦味、シャープな表情のスパイスを中心に配置し、少し尖りのある味わいに。
ポンニライスが止まらなくなるほど、相性抜群。






