2022/08/06 23:11
レシピフロムシリーズ、
マドゥライ、ムンバイ、コングナードより続き、カライクディ。
■ Recipe from KARAIKUDI ~カライクディ編~
チェティナード料理で知られるチェティナード地方の中心である街、カライクディ。
チェティヤール豪商が建てた”チェティナードマンション”と言われる豪華な邸宅がまちのあちこちに遺跡のように残りつつも、街中は庶民的な田舎感があり穏やでのんびりした空気が流れている。
当時、本当のチェティナード料理を食べる為にカライクディに向かった。
バンガラをはじめとする、リアルチェティヤール血族が営むホテルへ何件か訪れ、シグネチャーアイテムであるノンベジ(非菜食、肉料理)を食べて習っていた。
この地のスパイス使いやジビエを使う料理は期待通りに面白かったが、想像外だったのはベジ(菜食、野菜料理)がよかったことだった。
シンプルで穏やかな味から、キレがありメリハリがあるものまであり、特にサンバルとラッサムは自分が求めていた味わいだったのもあり、この地により興味を持ち、ベジにも高い意識をもって毎年のように通っていた。
■ VEG MEALS
ベジミールスを構成する、それぞれのアイテムについて
元々はティフィン用のモーニングサンバルのレシピを少しづつ広げ、今の味になった。バンガラ滞在中、モーニングで出てくるティフィンサンバルをウプマにかけてたべるのが、朝の始まりだった。
◉ラッサム
キレがあるが、立体感のないラッサムより、キレと立体感と少しの深みがあるラッサムを理想としている。当初から”Paruppu Rasam”ダルラッサムを作る理由は綺麗な5角形グラフを作る為でもある。
◉ブリンジャル・コロンブ
街中のノンベジ食堂で不意に出会った。
この、ノンベジ食堂の売りはもちろんマトンやチキンやシーフードだが、店によっては食べ始めに2〜4種だけベジの副菜的なものが出てくる。これが意外と侮れないのは経験上知っている。よく出くわすパターンだ。
ノンベジがメインだけあって、前座のベジもキレがあり、塩も少し強いがパチンときまっている。(美味しく引き立つ強さ。薄めより決め所は難しいと思うよ。さすが現地という感じ)
タマリンドの酸味と色合いがポイント。ミールスの影の実力者って感じのポジション。
◉キーライ・クートゥー
チェティヤールから教わった時、日本の郷土料理でもありそうなその素朴さと味の振り幅に感動し、気に入った。実際は、“キーライ・マシヤル“を”キーライ・クゥートゥー”に近づけていったものだった。
理由として、マシヤルの具材のほとんどが青菜で、ダルを使う量は少なく、出来上がる料理の量はかなり少ないため、原価的にも難しい。(昔行った、期間限定のチェティナードミールスの時のようにイベント事だったら割り切れるが、、。)
それに加えて、一般的のお客様にとってはシンプルで脇役すぎてしまうかもと思い、ダールを増やしたり、その他少しだけ調整してステージに上げた。
◉ウールガイ
これは厳密にはチェティナード地方からというわけではないが、他の4種との相性を崩さないようなバランスを心がけて。
(ウールガイよりも強い味の”ピックル”を作る時もあります)
◉ポンニライス
“タミルの食堂の香り”とでも言おうか、この鼻につく癖のある匂いに慣れてしまうと、ミールスのお供は湯取りしたポンニライスしか受け付けなくなってしまった。
是非、ライスも意識してミールスを味わっていただきたい。